忸怩たるループ 2003年5月
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 相変わらずデモベ三昧。そろそろ一月。というか今も。各ルートを二周ずつくらいやって、気に入った回だのシーンだのを飽きもせず再読し、あとは巡回巡回巡回。
 それにしても、ファントム(のキャラだのドラマだの)を重いだの厚いだの言ってる人がいるなんて! まあ、アクション映画の方がライトノベルより重厚に見える程度には、デモベよりはファントムの方が重かったり厚かったりに見えるだろうけどさ。正直『フェイス/オフ』の人間理解の水準からすれば、虚淵玄は随分と後退してるんだが。

 あとたぶん(というのはハロワはやってないから)過去のニトロ作品というのは、終盤シリアスになっていくにつれ、ノイズが排除され感動へと純化されていく(ハリウッド映画のように)わけです。邪魔者はあっさり退場する。ノリはいつのまにかシリアス一辺倒。器用に自分で自分を追い詰める。

 僕に言わせればファントムで面白いのは美緒ルートで、それというのも「事情を知らない他者」が異物として挟まってくる方が構図としては緊張感があるわけです。美緒は、主人公を巡る事情とか、そのへんの気分に浸りたい人にとっては、ノイズになってしまうキャラです。美緒自身のキャラもちょっと弱い。
 美緒の発展強化型が弥沙子ですね。さらに強化するとルイリーになる。こうなると逆転して、タオローが割とどうでもいい感じになってくる。


 デモベはまた全然違うわけです。巨大ロボットの必然として、ある程度は集団モノのノリになる。あんなデカブツを運用するにゃ、一人や二人じゃどうにもならない。ロボットを所有する側にとって主人公は部外者であり、主人公側にとっても事情は似たようなものである。で当然ながら、それぞれ心情も思惑も異なる連中が、しょっちゅう顔を合わせることになる。一人でシリアスに盛り上がろうとしても、そうは問屋が卸さないってもんです。かくて覇道瑠璃の苛立ちの種は尽きることなく、大十字九郎は疲労に襲われる。もう、どっちが異物だかノイズだかわからなくなってくる。
 ついでにいえば主人公自身、シリアスに耐えられない性格のようですが。『悪魔のミカタ』の堂島コウみたいな感じで。


(5/20)

 ミカタ9巻。部長は前巻ではフッサールみたいなことを言ってましたが、こんどはルーマンじみたことを。ええと、実際にはn個の選択肢が可能であるはずなのに、二者択一のような限定に追い込まれることを「縮限」と呼びます。
 検索するなら「ルーマン 縮減」でどうぞ。「縮限」より「縮減」の方が引っかかる件数が多いってのはどうよ。しかも圧倒的に。

 ええとつまり、ロビン・マスクがジャンクマンに迫られたような二択ですね。そしてロビン先生は賢いので、第三の道を選ぶ。二者択一を迫ってくるような相手は悪魔と相場が決まってるので、騙されないようにしましょう。

 もちろん実際は無駄なんですが。
 《連隊じゅう連れまわされて、三十六回むちで打たれるのと、即座に二発の弾丸を頭に受けるのとどっちがいいかと尋ねられた。彼は、人間の意志は自由だ、前者も後者も選ばないといったが、無駄だった。》(ヴォルテール『カンディード』》
 ちなみに『西洋哲学物語』(ウィル・デユーラント、講談社学術文庫)からの孫引き。


(5/19)

 中学生日記。地底人、ホームレス志望、中学精太郎、デュエット。そのへん。凄い。面白い。萌える。筆舌に尽しがたい。エロゲーとマリみてとモンティ・パイソンを混ぜて煮込んだような……いやいや。
 ちなみに地底人#3の紹介は《東桜中学校に、「いじめを苦にした少年が、地底人となって学校を徘徊し、いじめっ子を食べる」という噂が流れ始める。》である。「食べる」!?
 このへんからどんなセンスかお察し下さい。

 とかくするうちに、どういう経路で情報が行ったのか、ひらしょーさんが姿を現す。お連れの方が一人。「もしかしてニャルさん?(願望)」当たり(驚喜)。
 で、ニャルさん相手に当然のようにデモンベイン話。まあ、ネタバレにならない程度に(その場ではデモベやってたのは二人だけっぽい)。
 で、ロボット物としてのデモベ、という話の流れから『冥王計画ゼオライマー』。久しぶりに観たが、やはり随分と気の狂った代物である。理不尽な設定を狂気で相殺し正気とは思えぬ速度で疾走する茶番劇を彩るは閃光閃光閃光閃光。一方的な虐殺。哄笑。なんつってな。
 それにしてもこの作品、設定のリアリティもキャラへの感情移入も最初から否定して、いったいどこへ行く気だったんでしょーかー。


 とりあえず、巨大ロボットというのが、一歩あるくだけでシャレにならん代物だということは、よくわかります。波とか。


(5/18)

 メモ。疑問(http://homepage1.nifty.com/fluorit/stairstayer.html#17)と解答例その1(http://d.hatena.ne.jp/Nyarl/20030513#p3


 それはそうと、上洛。


(5/17)

 デモベのどっかで、デュッコ・シュレーカーって名前が出てきて、妙に引っかかっていたのだが、検索してみたら夢野久作だった。


(5/15)

 噂の同人ゲーム『CAROL』。いきなり読めねえ。日本語が壊滅してるがな。
 0.5秒で撤退。
 誰か止めなかったのかこれ。


(5/12)

 アルEDその2(毎度最初からやり直してるので時間がかかる)。スケールの大きい方。最後にとっといてよかった──正直、かなり釈然としない部分はあるのだが。まあ、「御伽噺」ならそれもアリだろう。

 最後にお兄ちゃんED。MOON.のすのこみたいなやつ。こういうのもやってくれるのか。感謝!


 ユーモアとは、「にもかかわらず」笑うことである。或は、「苦しいときこそニヤリと笑え」。

 あーなんだその。つまりコイツらはひとりじゃないんだ。かといって二人きりでもなくて。「仲間」ってヤツか。ダイの大冒険。だから悲愴一直線にならないし、軽口のひとつも出る。感動の涙に浸るには周りがにぎやかすぎるし、悲愴な覚悟を決めるよりガキ共を安心させたくもあり。


(5/3)

 ええと、これ?
 《灰羽連盟#2.クウがラッカのことを振り返り振り返り,とても気にしてあげているところが好きです.(11/9)》
 トップページにあったやつ。


(5/2)

 朝松健『秘神黙示ネクロノーム』(電撃文庫)1巻読了。クトゥルーでロボットもの、というアレである。
 センス悪っ。あと日本語が変。まあ珍しくもないが。
 ロボットっつっても、古のものの遺産、なんだかグニョグニョした生体兵器(棘皮とかゆってる)なので、クトゥルーと絡めるにしちゃ捻りがないといえよう。もとは人型ですらねえ。ロボットの身長も15メートルくらいだし。身長50メートルの鋼の巨人、を出された後では食指をそそられない。
 それはそうと、こっちもブライアン・ラムレイにインスパイアされたらしい。


(5/1)


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