忸怩たるループ  2003年6月
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『時間からの影』読了。

(Monday, 30-Jun-2003)

 「比翼の鳥」といえばミュシャ・カレニーナなのである。
 ロボっ娘といえば髪は青か緑でなけれあなりません。アカシャ年代記か何かでそう決まっておるのです。もちろん例外は存在しますが。
 つまりミュシャとは『Only You』に登場するロボっ娘であり、リ・クルスはやってないので「世紀末のジュリエットたち」の方、タムリンみたいなキャラデで髪は青、一人称は「ミュ」。とってもおつむてんてん。

(Sunday, 29-Jun-2003)

 なんとなく『狂気の山脈にて』読了。えらく面白くて一気呵成に読んでしまった。以前は挫折したんだけど。しかし、まるきりローマ史ではないか。もちろん作者はそれを意識したのだし、作中でもそのように言及されるわけだが。つうわけで歴史に興味があると面白く読めると思います。あと「角が折れた五芒星」。

(Thursday, 26-Jun-2003)

 『ラヴクラフト恐怖の宇宙史』ようやく入手。
 創元の全集にはまだ入ってない初期の作品をチェック。

 『クトゥルフの呼び声』。「神話」を自明の前提とする我々には面白くない。
 『ピックマンのモデル』。ああ、菊池秀行が好きなやつか、という認識である。知佳とか退化とか好きだなあ。
 『銀の鍵』。ああもう! 誰しも一度はそう願うのだ。

 『未知なるカダスを夢に求めて』『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』は後回し。アバウトにやるのがコツです。

 『宇宙からの色』。今から見ればやりすぎだが、当時の科学の進歩により次々と明かされる事実に対する驚からすれば、この程度でも自然だったのかもしれない。
 『ネクロノミコンの歴史』『ダニッチの怪』はデモベやった直後に読み返したので飛ばす。次は『闇に囁くもの』だがこれも後回しにする。

(Saturday, 21-Jun-2003)

 CLANNADに備えて(嘘)内田師のサイトよりメモ。
 《「家庭というのは親密さを核にした求心的な共同体ではなく、『そこをいかに傷つき損なわれることなしに通過するか』が喫緊の問題であるような、無理解と非人情をサバイバルの手段とする、離心的な場である」
 ……
家族についてはそこを「理想的な場」にしようと努力すべきではなく、「最悪の場」にしないことに持ちうるリソースを投ずるべきである》
 なんだか岸田秀みたいだ。
 ところで「家族」のかわりに好きな言葉を入れて遊んでもよろしい。たとえば岸田秀は「必要悪としての教育」とも言っていた。

(Wednesday, 18-Jun-2003)

 ラヴクラフト全集つづき。『ナイアルラトホテップ』『家のなかの絵』『無名都市』『アウトサイダー』。
 あ、ニトクリスって「アウトサイダー」にも名前だけ出てるのか。The H.P.Lovecraft LibraryのWho'sWhoには載ってない……と思ったらNitocrisじゃなくてNitokrisになってるのか。

 『蕃神』『エーリッヒ・ツァンの音楽』『死体蘇生者ハーバート・ウェスト』『魔犬』『潜み棲む恐怖』
 あ、オッドアイ。まさかこれがルルたんの元ってわけじゃないだろうけど。「紫と金」は『インスマスの影』の王冠が出てくるシーンからの連想かな?

(Tuesday, 17-Jun-2003)

 ファイト・クラブを知っていますか
 KanonとにせEDENのために観た映画。チャック・パラニュークはまだ読んでないのでいずれ読まねばならない。

(Monday, 16-Jun-2003)

 デモンベインのルビ辞典。こういう地道な仕事こそ敬意に値すると思います。

(Sunday, 15-Jun-2003)

 創元のラヴクラフト全集を作品執筆年代順に読むことにした。普通に一巻から順番に読むと『闇に囁くもの』か『エーリッヒ・ツァンの音楽』か、よくても『時間からの影』か『狂気の山脈にて』あたりで挫折すること必定だからである。あるいは、とりあえず短いのから、と適当に読むと『眠りの壁の彼方』でがっくり来る。

 『ダゴン』(3巻)。視覚的イメージでガンガン押す。テンション高い。最後まで。
 『眠りの壁の彼方』。冒頭はかっこいいんだけど。
 『白い帆船』(6巻)。切なさ炸裂。泣いちゃうじゃないか。あと尖塔(タラリオン)とか。『ヤン河』は読んでません。
 『ランドルフ・カーターの陳述』。階段を下りる話も多い気がする。
 『ウルタールの猫』。そんなに猫が好きか。個人的には『ノラや』みたいな直接的なやつより、猫の話をひとつ作ってしまう、という方が好きです。ちなみにダンセイニは犬好きで、宮澤賢治は猫嫌い。どうでもいいですが。
 『神殿』。シチュエーションの勝利。
 『故アーサー・ジャーミンとその家系に関する事実』。さっぱり。
 『セレファイス』。ちょっとできすぎてるなあ。
 『彼方より』。『ティンダロスの猟犬』の元ネタらしい。『ティンダロスの猟犬』の方が圧倒的に面白い。あとビアスの『あん畜生』を思い出した。

 このへんで今日は終わり。
 『ダゴン』が最初に来るのが結構以外だった。

(Saturday, 14-Jun-2003)

 A.E.ヴァン・ヴォクト『宇宙船ビーグル号』(ハヤカワ文庫)再読。なんかクトゥルーっぽい。年代的にはこっちが影響を受けたんだろうけど。クァールの惑星の無人都市なんてまるでC.A.スミスみたいで──いや手許にあるスミスっつったらポプラ社文庫怪奇シリーズ『アトランティスの呪い』くらいなんだけどさ。あとイクストル正しい意味で「旧支配者」。それにしても昔読んだときあれは怖かった。
 恐いといえばキャンベルJr.の『夜が行く』(といっても僕が最初に読んだのは『物体Xの恐怖』というタイトルの子供向けリライトですが)も──でもいっちゃん恐いSFはやはりというか『夜来たる』で、宇宙が気まぐれにこしらえた世界が、知性にとってどれほど嘲弄的でありうるか──という点において、コズミック・ホラーとはああいうのを言うんじゃないんでしょうか。邪神でもいた方がまだ救いがある。ラヴクラフトの「邪神」はもともとそうした匂いがあるけれど。つまり、ホメロスの描くギリシャ神話の神々が、「自然」や「摂理」を人間が耐えやすくするための擬人化であるのと同様に。あとアシモフといえばロボット物も、「人間のため」という論理をつきつめた結果が結構恐いことになってたりしますが。

 ホラーの条件は人間の側の相対的な無力と受動性、そして何より主人公が凡俗であることである。なんとなれば、主人公がいかに徹底して無力であり運命に嘲弄され絶望のみを友としぶざまに打ちひしがれようと、そうした事態を純粋に抽象化できるほどの意志・知性・認識の持ち主であれば、それは「悲劇」と呼ぶべきだからである。
 換言すればホラーであるためには人間は形而下のみならず形而上的な面で(ようするに精神的に)無力でなければならない。事態の本質に対し知的に無力であるか、あるいは己の見出した,或は見出しかねないものに耐えることができない精神の持ち主である必要がどうしてもある。いや恐怖ってそういうもんなんですけどねそら。
 こう語ってきて思い出されるのは小林泰三『玩具修理者』で、そこでは何一つ異常な事は起こっていない(この点でラヴクラフト『闇に囁くもの』を思い出させる)。姉さんがただ昔の出来事を語る以外には何一つ。だがそれにより主人公は、取り返しのつかない遅れと受動性と決定的な不安を植え付けられる。何よりも相手(姉さん)が不安をも先取りしてしまっている点で二重に遅れる。こうなれば何を恐がってよいのかもわからない、というわけ。まあ実際読んだ限りではむしろ生理に訴える描写、あるいは断片的な印象的な言葉のイメージ──「猫の瞳」「銃弾」「解体」「玩具」──によって印象に残るものでしたが。

 つまりホラーを構成するためには、精神面においてさえ観念的な戦場においてさえ知性においてさえ認識においてさえ美醜の戦場においてさえ無力で受動的で卑小でなければならぬのだ。悲劇の主人公は自分がなにゆえに無力であるのか知っているし、事態の真の意味をかれのものとしている。恐怖小説家は常に、主人公をそのような位置へ置くことを禁欲せねばならない。なんかラヴクラフトの恐怖小説論に書いてありそうなことばかりですが。

(Monday, 9-Jun-2003)

 ウィル・デューラント『西洋哲学物語(上)』(講談社学術文庫)。ヴォルテール萌え。


 気分は 丞相 なんて素敵なの

 いや、「男子三日会わざれば」で検索してたらこれを見つけてさ。
 おすすめは「臥薪嘗胆」。ほりのぶゆき風?


 微妙に関係のあるデモンベイン註釈を更新。第5話


(Friday, 6-Jun-2003)

 I.モンタネッリ『ローマの歴史』(藤沢道郎訳、中公文庫)が、すこぶる面白い。ノリノリである。
 《この双子の兄弟、狼の乳を吸い、ついで乳児食に移り、それから歯が生え、ロムルスとレムスという名をもらい……》
 「ついで乳児食に移り」ってあんた。いや、そらそうなんだけど。

(Wednesday, 4-Jun-2003)

 ANNOTED DEMONBANE(呼び名は気分によって変わります)、第四話分を(一応)仕上げる。あと三話までの手直し。


 2chのニトロスレとそっから飛べる、「デモンベインに登場することばに関する覚書」日本語版と、あとネタバレスレ
 うしとらさんの「デモンベイン 元ネタ集」を参考(時には引用)させていただいていることをご報告しておきます。

 あと、2chの過去スレから飛んだ、ラヴクラフトの小説が電子化されてるところ。このへんあっちにも載せなきゃなあ。クロウリーの自伝と『法の書』は検索すれば見つかる。


 今回の目玉。一応、四話のネタバレ。似たようなことを小林泰三もやってた気がする。遡ればキリシタン資料あたりに行き着くのかねえ、こういうの。
 まあ、気付いてる人はとっくに気付いてると思うんだけど。

 てわずびーりりり、あいがんどすへするあいすわいとおびぃーえすっっ!
 Twas brilling, and the slithy toves

 でーあいぎいれあんでぐあいむびーれ、あいんすえあびぃぃぃぃ!
 Did gyre and gible in the wabe

 あるるむあいむうえれすへぼろごぶぇさんですえむおーめらすそーうとぐるあべべべべべべべべべべべべべべべべ!
 All mimsy were the borogoves,/And the mome raths outgrabe

 おぉぉねっとわっ! おぉぉねっとわっ! えいんどすろうぐはんどすろうぐふっっっっっ!
 One, two! One, two! /And through and through

 こめとむやるむすめやべあみしぼおわぃ、おおぉぉぉふらぼじょーあすどあい! かるるおぉぉぉ──っ! かるるあうぃぃぃぃぃ!
 Come to my arms, my beamish boy!/O frabjous day! Callooh! Callay!

 てぃへぶぉるぱるびーるあべうぃーえんとすにしーけるすんちっくく!?
 The vorpal blade went snicker-snick!

 いずれも上はデモベ#4のジャ(略)の鳴き声(?)。下は『鏡の国のアリス』の「ジャバウォッキー」の一節。


(Tuesday, 3-Jun-2003)

 デモンベイン私註(第三話まで)作ってます。なんと日記以外のコンテンツが!
 あくまでも私的なメモなので、そのつもりで。孫引きの山だし。
 それにしても、わからないことだらけである。
 

 気になるのは、王立国教騎士団で「了解(ヤー)」が使われる理由。
 あとエセルドレーダ(A.クロウリーの飼犬)って黒い犬だったんでしょうか。犬種とか。
 マスターテリオンって言葉は誰が言い出したのか、とか。英語とギリシャ語の合成っぽいんですが。
 ABRAHADABRAアエテュルも厳しい。
 何かこう色々と駄目っぽいのですが。

(Sunday, 1-Jun-2003)


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