もどる


腹痛え。
 おなかがいたいです。
 「片腹痛い」はもともとは「傍痛い」であり、だから現代の「イタい」という言い方は正しくそれを継いでいる。などと気を紛らわしてみる。
 腹痛の原因はスピリタスで、昨晩は飲み過ぎた。具体的な量は伏せる。うっおっかって透明なんですね!
 そんなわけでアズライトとか琥珀麗とかに萌えつつ腹痛。わかんない人は『デアボリカ』(アリスソフト)と『インフィニティ・ゼロ』2巻(有沢まみず・電撃文庫)を参照のこと。

 腹痛といえば、どういうわけか頭にこびりついているシチュエーションがあって。何かの作品で見かけたのか、それとも僕の妄想なのか、判然としないのだけれど。
 たとえば寂しくて泣いてしまったりする。いい年したヤローがだ。そんな時、どういうわけかそばにはちっちゃなおんにゃのこが居て、「どうしたの? なんでないてるの? おなかがいたいの?」と慰めてくれる。わけもわからずに(たぶんこのへんがツボ)。
 いや違った、男の方は実際に泣いてるわけじゃなくて、どころか自分が何か寂しさなり痛みなりを感じている自覚もそもそもないんだっけ。言われてから泣き出すんだったような気も。
 いや、それだけの話なんですが。誰か知りません?
 とかゆってデアボリカだったら笑えるな。

(Monday, 27-May-2002)


ソガさんへ。有難う、いいお話でした、という言い方はどうにも紋切り型なのだけれど。もし僕が日々物理的に側にいる人間だったら、今まで黙ってたなんてずるい、あんたは今までそんな話を抱えてたんかい、とでも言うところなのだけれど。
 透君は寝てしまうので、紫呉さんは話を聞いたあとでコメントする必要がない、そのへんは少しずるいと思った。そもそも他人の口真似する僕が悪い。

 早見裕司について付け加えることがあるとしたら、『世界線の上で一服』が、女の子が庭の手入れをする話だったりします。いや、なんのことかわからないならそれでいいけど。これも絶版なんだよなあ。

 こちらの事情としては、疏水については、法月綸太郎『二の悲劇』を読んで以来、蹴上のあたりに時折出向くようになったのですが、この場合これを持ち出すのはいやがらせのような気がしてきた。考えすぎなんだろうけど。

(Sunday, 26-May-2002)


高瀬彼方『カラミティ・ナイト』『カラミティ・ナイト2』。
 最高のライトノベルは? と訊かれたら若干迷う。最低のそれは思い当たるのが多すぎる。しかし「最悪の」ライトノベルをひとつ選べと言われたら、たぶん迷うことはない。
 悲惨な運命など物の数ではない。理不尽さなど些末なもんだいだ。たとえば君がもし『新世紀エヴァンゲリオン』の世界に投げ込まれたとしても、それは単に悲惨で理不尽というだけのことだ。普通に悩み、苦しめばいい。だがもしそれが『無敵超人ザンボット3』だったら? あの、世にも玩具的なデザインのロボットと、「ブッチャー」なんて巫山戯た悪役、主人公は大山のぶ代と来た。まともな感覚の持ち主なら、あれが現実になったら到底やっておれまい。最悪ってのはそういう事態のことだ。
 とりあえず主人公は、『終わりのないラブソング』のついでに『小説道場』くらいは読んでおくべきだった。しかしその代わりに、途方もなくイタい小説をネットに発表しちまった挙げ句、その内容が最悪の形で現実化するんだ。それも、主人公がそのイタさを自覚した直後にね。ちなみに僕の評価では、主人公がネットに上げた小説、吐き気と鳥肌をガマンしながらじゃなきゃ到底読み進められない代物でさ。
 そして敵は敵で、志はいっちょまえだが貧乏人の寄り合い所帯、しかし微笑ましさなんてカケラもなく、陰惨さと貧乏たらしさの双方が全開だ。やれやれ。読む人間を不快にさせるだけの代物じゃないかこれ。
 いや、そういうのを読みたくなるときはあるんだけど。

(Saturday, 25-May-2002)


橋本紡『リバーズ・エンド』。何にもない話。たとえばグリーン・レクイエムなら「海が見たい」というのにそれなりの意味(物語)がある。あと、似たようなボーイミーツガールにしたって、イリヤの空、UFOの夏だつたらそもそも面白さが存在する。ついでにいえばこの作品。センスが悪いならまだしも、端的にセンス無し。なんての、村山由佳を前にした小谷野敦の気分?
 物語とよべるほどの統辞法もなく面白味もなく深みもない。世界は優しくも美しくもなく、なお悪いことに複雑ですらないのでした。
 繊細ぶるのだけは一人前でさ。無力感!
 いや、それこそがぼくたちのリアルだ、なんて御託を並べてそれらしく言い募ることもできなくはないけれど、さすがにこの作品でやったら失笑モノだろう。それでも「どうしようもなく終わっている」感じは、捨て難いけれど。ちょっと「腐り姫」みたいな。終わってるのは作者の方ですか。
 もちろん、僕はそういうものが読みたかったのだ。
 とりあえずグリ・レクと緑幻想を再読したら2巻も読む。

 平井和正『サイボーグ・ブルース』。たとえば山田正紀と異なり、平井和正は今読んでも充分に面白い。センスが絶望的に古臭いことにさえ目をつぶれば、の話だが。何者かに仕組まれたプロット、人間性の剥奪、狂気、そしてこっそりリリカルで感傷的、と、こうした系譜は現在では古橋秀之あたりが受け継いでいるように思う。メガロポリスはケイオス・ヘキサであり、サイボーグ特捜官は黒杖特捜官(ブラックロッド)だ。あとはオカルトを混ぜて、ハッタリのスケールを大きくすれば。あと平井和正はウルフガイにしろ死霊狩り(2巻ね)にしろミステリ的な趣向を常用する、ということに今更ながら気付いた。まあ娯楽の常道ですけど。古橋秀之にはあまりみられない面としては。

(Friday, 24-May-2002)


平井和正『メガロポリスの虎』読了。面白かった。
〈虎〉云々についてはピンと来なかった。池上遼一版のスパイダーマンかウルフガイを参照すべきか。『死霊狩り』1巻とか。

(Tuesday, 21-May-2002)


有沢まみず『インフィニティ・ゼロ』2巻。
 男の子向けのオーラバスター、みたいなシリーズになるのかね。
下手ではない。基本的な小説作法は心得ていて、安心して読める。前巻とこれをテキストに「一人称と三人称による描写(視点)の違い」について講釈できそうなくらいだ。
平時の描写や伏線の張り方は水準以上なのに、事が起こってしまうと駆け足になる。まあそもそも、作者の主眼が「女の子をいかに魅力的に描くか」であるようなので、ストーリーは消化するためのものでしかないのかもしれない。
 琥珀麗をのぞけば大してキャラは立っていない。実質、ひとりの女の子のためにこの一冊はあるといっていい。にしても残りのキャラのどうでもよさぶりは何とかなりませんか。
 13歳の女の子としては色恋沙汰より男同士の友情(そういう映画が観たかったらしい)に興味がある、というのは好きだ。
 彼女は一見イタい言動が多い女の子だし事実イタいのだけれど、それを自覚している、というのは不憫だ。
 熟語でもない漢字が並ぶのを嫌ってか、読点はやや不自然。

 あと山田正紀『神狩り』も読んだ。笑った。
 なんかウィトゲンシュタインとかラッセルとか出てくるんだけど。こんなもので昔の大学生は騙せたんだろうか。現在では陳腐化したアイデア以外、なにもない代物。でも書き出しがかっこいいから全部許す。

(Monday, 20-May-2002)


西尾維新『クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識』。ブラーヴォ。
 人間失格というだけあって太宰ファンにお薦め。たとえば岸田秀「太宰治論序説」に全力で同意しつつそれでもファンをやめられない人に。うわ。
 京都の街で起こる連続殺人。主人公は殺人鬼と出会い、意気投合する。まあ『月姫』裏ルートの罐コーヒーのあれ、みたいな。殺人鬼の名は零崎。彼はなんだか「特殊な家柄」(「七夜」みたいな?)の出だったりして、そして青や橙ではないけれど真紅のヒトが出てきたりもするのだが、主人公はそれとは関係なく、栗本薫『ぼくらの時代』みたいな、しみったれた事件に巻き込まれ首を突っ込んでいたりする。この二重生活者!
 どのへんが太宰かっていえば、ひたすら他者性を欠いている。なんての、鏡面的な、会話じみているけれど実はモノローグと大差ない。どこへ行っても、主人公を都合よく解説してくれるような相手にしか(あるいはそのための道具でしかないような)出会えない。
 どこまでいっても狎れ合いで、他者がいなくて、ようするに戯言だ。やれやれ。ああ、できれば小谷野淳『軟弱者の言い分』のドストエフスキーについての文章を読んでいただくと、理解が増すやもしれぬ。「ラスコーリニコフは保護されているっ!」

 舞城王太郎『世界は密室でできている』。
 密室でできていました。オーケン風味の「いい話」、という以外とくになし。なんで評判いいんだろ。

(Saturday, 18-May-2002)


なにゆえー?(元ネタ指定について)
 ……いや、心当たりがないとはいわないけどさ。できればどのへんなのか知りたいです。まあ、どっちでもいいですけど。

(Wednesday, 15-May-2002)


アニ同名簿を書いて送る。ぽつぽつと頭に浮かんだ語句を並べただけの。
 作文能力が低調だ。

(Friday, 10-May-2002)


最近の音楽。
 From dusk till dawnからUnoの音楽部屋。鳥の詩グラピアバージョン。グラピアってのはグランドピアノの略らしい。まっとうで飽きない感じの。
 サンフェイスさんの掲示板からアトラク=ナクア幻想曲。「名曲アルバム」風ムービー([Ti]さん作)にやや受け。ピアノという楽器のためにエロゲー利用してる風味っちゃあそうなので(つうかそもそも「ピアノの力を見直そう」というコンセプトらしいんですが)、怒る人は怒るかも。左手のための「夏影」とか。やや派手で鼻につくか。

 ふと思い出してCampanellaへ。公開されていたファイルを落とす。
 凄い。

 再生ハイべるですと?

(Tuesday, 7-May-2002)


カラフルピュアガールを立ち読みし、荒川工がやはり少女マンガな人だったことを確認した。白泉社率はそこそこ高い。
 そして、めがねくんが恋しくなって(荒川工といえばめがねくんである)、『ほとんど以上絶対未満』を表紙買い。まあ荒川工といえば桑田乃梨子であるし。したら、そういうネタ(例・革命の日)だったという罠。知らなかったんです。あたしゃ白泉社に関してはブランクあったから。

(Monday, 6-May-2002)


「ひとかた」for Nscripterをやっとこさ終える。辛かった。日常会話はそこそこ楽しいのだが、盛り上がるべきシーンにさしかかると、どうにもセンスが悪い。馬鹿の一つ覚えのように登場人物がひたすら猛る。ひらしょーさんのこの記述を思い出した。ついでにその下の月姫感想の三段落目も微妙にあてはまる気がするが。
 展開が素直すぎ。人物を言葉で説明しすぎ。キャラに絶叫させれば盛り上がると思うてか。どっかの三流アニメの脚本じゃねえんだ。
 萌えとエロは水準。護君は好き。
 あと日常パートも、ホンネをいえば、どいつもこいつも「(実は)こういうキャラです」とのべつ説明されてるみたいで気に食わない。

 夏の迷宮、という趣向はとても好きなのですが。
 ゲームシステムは結局、みてくれにすぎないわけで。その作品が、迷路を彷徨うあの感覚を喚起し得ているかどうかは、また別の問題だ。


 「水月」体験版を起動したが一分もたなかった。言語感覚が気持ち悪い。日常会話レベルだと問題ないが、多少もって回った言い回しが必要な局面になるとちょっと。まあ、久遠の絆とかアトラク=ナクアも酷いものなんだけどさ。格好付けたいのは判るが、痛い。こういうの、なんとかなりませんかね。

(Saturday, 4-May-2002)


もちろん聞きたい。どんな事? 話してよ。>坂東方面

(Thursday, 2-May-2002)


もどる